38歳から始まりました

38歳で結婚、田舎へ移住3年目。現在41歳。田舎暮らしに、不妊治療。そして妊娠。急にやってきた変化に驚きつつな日々

コロナ騒動の中での里帰り出産について

いい気候になってきましたね。

けれども大阪での引きこもり生活が続いております。

相変わらずお腹も張り張りなので、ベランダに出て外を眺めるが最長距離の移動となっています。

花壇の満開のつつじを見るのが唯一の癒しです。

 

4月から日本産婦人科学会が里帰り出産を控えるようにとの発表がありましたね。

そしてこのニュース。

r.nikkei.com


岩手県に帰省中、破水した首都圏在住の妊婦さん(出産は首都圏予定)が、救急搬送先の病院2件に断られ、3件目の病院でようやう受け入れ可能となり、無事出産したとのこと。

起こるだろうなと思っていましたが、やはり起こりましたね。

 

ヤフーニュースで初めて見た時に、下のコメント欄を見てみるとそれはもう妊婦バッシングの嵐。。。

「自覚なさ過ぎ」「断られて当たり前」「病院は悪くない」「こんな時期に移動なんて信じられない」等々見ていて辛くなるコメントばかり。

私自身、この時期に里帰りを決行した身ですので、このコメントの一部は自分に投げかけられているような気がしてショックでした。

 

けれど、よく考えてみると、この妊婦受け入れ断り問題は2つの目線でもって別々に考えるべきものかなと個人的には思いました。

 

まずは妊婦さん側の問題。

5月半ばの出産予定の妊婦さんが4月の時点で分娩予定の場所を離れるというのはやはりとてもリスキー。

これはあってはならん(何かあっても仕方ない)なとは思います。

しかしながら、どういった事情で帰省していたかは不明です。

もし万一近しい身内に不幸があって、そのための数日の帰省とかならば、誰にでもあり得る話かなと。

破水しそうな段階で救急車を呼んだという所もたくさんコメント欄で突っ込まれていましたが、自分が分娩する土地でもなく、まだ正期産の段階でもない間の急な変化。

めっちゃ怖いと思うんです。

しかも田舎町。

そんな状況だと救急に電話するしか選択肢ないんじゃないでしょうか?

救急に電話したからこそ周産期コーディネーターが動き出してくれて色んな病院に連絡してくれたんでしょう。

もしこの妊婦さんが個人的に救急へ行った場合、「都会から来たコロナかもしれない妊婦患者が来た~!!!!」と、もっと大きな混乱があったのではないでしょうか?

この場合だと、最悪ベビーも助からないような手遅れ状況にもなり得たと思います。

 

なので、私個人としては病院へ急に行くより、お伺いを立てるために始めに救急へ連絡したのは出来うる最善の方法かと感じました。

 

臨月近くなってからの移動はしてはいけないというのが一番の回避策であることは当然です。

けれど、この状況ではこうせざるをえなかったのでは?

他に何か策はあったでしょうか?

 

妊婦さんを責めるのは簡単です。

でも自分や身内であったら?と想像して考えてみると、どうなんでしょうか。

私は責める気にはなれません。

 

そして次に病院の問題。

私はこっちの方が大きい問題だと思っています。

受け入れを断った理由は一体何なのでしょう?

病院側の理由として発表されたものは、「もしコロナ陽性者であった場合、手術室の準備が整っていなかったから」というものでした。

 

これ、救急搬送を受け入れている病院が堂々と理由にしていいのでしょうか?

 

これだけ全国でコロナコロナと言われているのに、いつか来るコロナ患者への対策を県立病院が全く取っていなかったということですよね?

救急搬送の受け入れ可能な岩手の県立病院の感染対策ってどうなってんの⁇ってとこですよね。

岩手県はコロナ罹患者がまだ0人地域(4月29日現在)ですが、発生してないから対策取らなくて良いってことじゃないでしょう?

発生していない今だからこそ、他県の良いとこ悪いところを見て万全のシミュレーションでもって対策立てていけるはずなのにと、と思うのですが。

 

そしてこの病院側のコメントから感じた私の疑問は

①都会から来た患者だから受け入れないのか?

②コロナの疑いがあるから受け入れないのか?

③妊婦だったから受け入れないのか?

この妊婦さんは①且つ②且つ③でした。

けれど、救急に連絡してきたのが、

「首都圏から帰省中の心筋梗塞の男性なら?」

「コロナ疑い症状のある岩手県民の脳卒中患者なら?」

「コロナであるかどうか不明の岩手在住のその病院の受診歴のない妊婦さんなら?」

この場合なら対応は変わるのでしょうか?

 

岩手県在住であろうとなかろうと、診察前に救急へ搬送される患者さんがコロナを併発している可能性は50%です。陽性か、陰性かのどちらかです。

大発生地域から来た人であろうとなかろうと、診察するまで可能性は50%を下回ることはないのです。

どんな患者さんが来たって可能性が0でなく、病院の対策は必須なはずです。

その状況下で「手術室の対策が出来ていませんでした」を理由に搬送を断るということは

結構な問題じゃないのかと。

これは妊婦云々というよりも、救急医療の態勢不備の問題になってくると思うんです。

 

要はこの県立病院は「都会から来た人の診療は(危ないから)したくありません」って言ってしまったのと同じと思えるのですが。。。

病院がこれ言ってしまったら医療ってものは平等には受けられないのかってことになってきます。

今回、患者さんが妊婦であることが問題をマスクしてしまったように思えます。

コロナ不安で医療機関も混乱を極めているのは分かるのですが、国民皆保険であるだけに医療は平等に施されて欲しいと願うばかりです。

 

里帰り妊婦さんは帰省し、2週間の待期期間後にしか受診できないという決まりができつつあります。

その2週間の待機を無事に過ごせるか。

今、里帰り分娩を希望(決行)する妊婦さんは不安で堪らないと思います。

移動せずに出産できるに越したことはないとは思うのですが、それぞれの事情もあります。

不幸な事例が起きないことを同じ妊婦として願うばかりです。